2017-02-17

H 28 多頭飼育崩壊現場支援レポート⑩(茨城県石岡市)

申請No.10
申請日:2016年8月5日
場所:茨城県石岡市 実施責任者:A氏
協力団体:個人ボランティア
居住環境:一戸建ての持ち家
居住者:母親(73)、夫(46)、妻(47)、長女(21)、次女(18)、長男(17)
生活保護の需給状況:受給していない
手術頭数:32匹(チケット発行)


申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
猫を30匹飼っていると聞き、不妊手術を勧めていたが、最初はなかなか聞き入れてもらえなかった。どうぶつ基金への申請が通れば無料で全頭手術できる、または格安で手術できる病院があるから手術をしたほうがいいと手紙で伝えたところ、「無料」という言葉が効いたのか手術したいと当事者から申し入れがあり、申請に至る。
当初、全て室内飼育との話だったが、行ってみると家の中と外を出入り自由な状態で飼っている状況。室内は障子や襖、網戸も破れている状態だった。完全室内飼育ではないため、3個のトイレで間に合っているのか、糞尿被害はそれほどひどくはなかった。しかしながら、便が転がっている部屋や押し入れがあり、不衛生な状態であった。
申告頂いた頭数はメスが8匹オスが15匹ぐらいだったが、実際に確認してみると春生まれの人馴れしていない仔猫が沢山おり、正確な数を把握することができなかった。
8月中に私(実施責任者)の搬送で全頭手術を計画していたが、当事者との連絡の遅れやスケジュールの都合で、当事者夫婦にて捕獲と搬送を行ってもらうことになった。捕獲器は使用せず、私(実施責任者)から貸し出したキャリー(10個)に入れて動物病院に搬送を実施。3回の搬送でほぼ終了。残り2匹とまだ手術していない仔猫が6匹。仔猫6匹のうち、8月に仔猫2匹を里親探しに出し、私(実施責任者)が未手術の仔猫4匹を引き受け里親探し中。成猫2匹はなかなか捕獲できないとのことで、未だ手術できていない状況。そこから増えないように頻繁に手術に誘っているものの、捕獲できない状況が続いている。引き受けた仔猫はまだ里親が見つからずに10月に4匹不妊手術、1月に成猫を含めた4匹を不妊手術予定。

不妊手術頭数
オス メス 妊娠メス 耳カットのみ 合計
9月11日 不明 不明 0 0 10
9月19日 不明 不明 0 0 10
9月22日 不明 不明 0 0 12
合計 不明 不明 0 0 32

どうぶつ基金負担:不妊手術


現場写真
現場写真1 現場写真2
現場写真3 現場写真4


今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
◎反省点1「実施が当事者任せとなってしまった」
私(実施責任者)が仕事の超繁忙期に重なり、申請まではできたが、猫の捕獲、搬送など全く協力できずに当事者任せとなってしまった。事前に書類を全部読んでいなかったため、オスメスの性別を確認しなければならないことに後で気づいた次第。手術頭数は確認できたが、性別は確認、報告ができなかった。次回は事前に必要書類を漏れなく読むことを徹底する。
◎反省点2「成猫2匹が未手術で残ってしまった」
当事者は、ほぼ不妊手術が終わったことで良しとしてしまい、その2匹を捕まえる気力が失せている様子。その後、何度か不妊手術を安くできるところを勧めているが、一向に状況は進展しない。やはり、できるときに一気に全頭を捕獲手術に持ち込むのが良いと感じた。今後も当事者に繰り返し手術の声掛けをして理解してもらい、捕獲も手伝って手術の実施を目指す。
◎良かったこと「当事者意識の醸成」
上記の通り、私(実施責任者)が多忙になったために、当事者に捕獲、病院までの搬送を実施してもらった。当事者に協力してもらうことで、私(実施責任者)だけでなく、獣医さんやほかのボランティアさんの話が聞けて、苦労も分かっていただけたことと思う。
◎改善を望むこと「協力病院の拡大」
県内にもっと協力病院が増えたらいいなと感じている。30匹以上と多頭だったこと、手術できる獣医さんが周辺には少なく、ほぼ都内に病院が限られていた。


どうぶつ基金スタッフより
どうぶつ基金に寄せられる多頭飼育崩壊の相談は、日々増えています。その多くが貧困、独居老人、心の病などの理由で生活保護を受けたりしているため行政職員やケースワーカーが家の中に入り、実態を把握しています。しかしながら猫の多頭飼育の問題になると見て見ぬふりをしたり、「里親に出せ」「オスとメスを分けて飼え」など、当事者には無理な実効力のない指導をして、結局あれよあれよという間に数匹が 数十匹になり、問題がさらに深刻化しています。それでも行政は地元の小さなボランティアグループに丸投げというパターンが多くみられます。多頭飼育崩壊に陥った家は憲法25条で保障されている「健康で文化的な必要最低限の生活」をはるかに下回った悲惨な状態であるのは明らかです。行政は正面からこの問題に向かい合ってほしいものです。

平成28年度多頭飼育崩壊現場、手術支援頭数
現場 オス メス 性別不明 耳カットのみ 合計
① 神戸西区 14 19 0 1 34
② 神戸北区 17 10 0 0 27
③ 大阪府豊中 12 5 0 0 17
④ 兵庫県伊丹市 3 6 0 0 9
⑤ 東京都青梅市 12 3 0 0 15
⑥ 千葉県香取郡 9 0 0 0 9
⑦ 大阪府寝屋川市 8 9 0 0 17
⑧ 大阪府大阪市 3 6 0 0 9
⑨ 神奈川県川崎市 5 9 0 1 15
⑩ 茨城県石岡市 - - 32 0 32
83 67 32 2 184
多頭飼育崩壊に関するお問合せは こちら

日本では昨年8万頭以上の犬や猫が殺処分されました。地獄のスパイラルをストップするため一番最初にすべきことは不妊手術をしてあげることです。
どうぶつ基金では命を最優先に、1頭でも多くの罪なき命を守るため、全国約80カ所の協力病院と、離島などへの出張手術で無料不妊手術を行っています。
しかし、過剰繁殖し続ける猫の数に資金が追い付かず、必要な支援が届きにくくなっている状態です。
殺処分ゼロで、人と犬や猫が笑顔で暮らせる日までどうぶつ基金の活動に力をお貸し ください。
公益財団法人どうぶつ基金
理事長 佐上邦久
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